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【現役飼い主が解説】柴犬の性格は凶暴?|しつけ方法と飼い方のコツ

柴犬が喧嘩をしている様子

最近インスタグラムなどのSNSでも大人気の柴犬。日本の小型犬種で、可愛らしい容姿と忠実な性格で知られ、年々人気はますばかり。「好きな犬種ランキング」でも常に上位をキープしています。

ただ柴犬を飼うことを検討している方の中で、「柴犬は凶暴」「飼いにくい」といった情報を目にして不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、柴犬を2頭飼育してきた現役飼い主が、柴犬の性格特性と凶暴性の真実、そして効果的な飼い方について詳しく解説します。柴犬を飼うことを検討している方や、飼い始めたばかりの初心者の方に向けて、実践的な情報をお伝えします。

目次

柴犬の基本的な性格と特徴

歴史的背景による性格形成

柴犬は古くから猟犬・番犬として人間と共に生活してきた犬種です。この歴史的背景が、現在の柴犬の性格に大きく影響しています。

元々猟犬・番犬として飼われていたため、柴犬は敵か味方かという見極めがつくまではちょっと厳しい態度を取りがちです。その警戒心の強さを買われて活躍してきた犬種といえるでしょう。獣医師監修の専門資料によると、柴犬は高い警戒心を持ちながらも、飼い主や家族に対して深い愛情を示す忠誠心の強い犬種として知られています。また、独立心が強く、自分の意思がしっかりとしている特徴があります。

出典:カインズ公式サイト「柴犬の性格と特徴」

柴犬特有の「柴距離」とは

柴犬には「柴距離」と呼ばれる特徴があります。これは、他の犬との交流が得意でない傾向を指します。

先代の柴犬も現在の柴犬も、飼い主には甘えるという性質を持ちます。飼い主にとってはこの上ない幸福ですが、他の犬や知らない人には一定の距離を保つ傾向があります。
社交的な子もいますが、柴犬のベースは非社交的であると思っておいた方がよいでしょう。ただし、子犬の頃は皆遊びたがりなので比較的社交的であることが多いです。

また、柴犬は活発で体を動かすことが大好きです。
私も今の子が子犬の頃は散歩1回につき1時間〜2時間弱を散歩しましたが、それでも家に帰ってきてから遊ぶほど活発でした。

遺伝的特徴

最近の研究では、柴犬を含む日本犬がオオカミに最も近い遺伝子を保持していることが判明しています。

2024年に総合研究大学院大学と岐阜大学の共同研究チームが発表した研究によると、ニホンオオカミは世界のオオカミの中で最もイヌに近縁な種であり、日本犬(柴犬、紀州犬、秋田犬)にはニホンオオカミの祖先のゲノムが2-4%含まれていることが明らかになりました!
これは、見た目がオオカミに似ているシベリアンハスキーよりも上位の結果です。

出典:総合研究大学院大学・岐阜大学「ニホンオオカミはイヌに最も近縁なオオカミ」

この遺伝的特徴は、柴犬の行動や性格を理解する上で重要な要素となります。

柴犬が凶暴になる原因と対策

主な原因

柴犬が攻撃的な行動を示す原因は複合的ですが、最も多いのがしつけ不足や運動不足によるものです。子犬期の社会化不足や基本的な指示の未習得、飼い主との信頼関係の構築不足などが挙げられます。

運動不足・刺激不足も大きな要因となります。1日に必要な運動量が不足したり、精神的な刺激が不足したりすると、エネルギーの発散場所がなくなり、ストレスを感じやすくなります。また、環境の変化や家族構成の変化、生活リズムの乱れなども柴犬にストレスを与える要因となります。

専門家の見解によると、医学的要因も考慮する必要があります。脳疾患や神経疾患、疼痛性攻撃行動(痛みによる防衛的行動)、特発性攻撃行動(原因不明の攻撃行動)などが挙げられています。

また、病気によっても柴犬の性格が変化することがあります。例えば、脳疾患や神経疾患が原因で攻撃的になることがありますが、これは犬種は関係ありません。

出典:ESSE動物病院「犬の攻撃行動について」

対策方法

適切な運動量の確保が最も重要です。成犬の柴犬に必要な散歩量は1日合計1時間程度が理想とされており、30分の散歩を朝夕2回、距離にすると約2km程度が目安となります。子犬は1日20分程度から始めるのが適切です。

精神的な刺激の提供も重要で、知育玩具の活用や新しいコースでの散歩、基本的なトレーニングの継続などが効果的です。元々攻撃的な個体は確かに存在すると思いますが、柴犬に必要な運動量・刺激を与えればすごく困ってしまうほど凶暴になることはないと考えています。もし運動量や刺激も十分に与えた上で攻撃的な行動が治らない場合は、悩まずにトレーナーさんに相談するのが良いでしょう。

柴犬を凶暴にしない!基本的な対策方法

  • 運動量の確保(散歩の場合約2km程度/日)
  • 精神的な刺激の提供(知育玩具など)
  • 基本的なトレーニングの継続(お座り、待てなど)

柴犬の凶暴性に関する真実


「柴犬は凶暴」は半分本当で、半分嘘

この表現が適切だと考えます。本当の部分として、警戒心の強さや独立心の強さ、そして遺伝的にオオカミに近い特徴を持つことが挙げられます。しかし、適切な飼育環境があれば問題行動は防げますし、しつけ次第で非常に良いパートナーになります。また、個体差が大きく、一概に「凶暴」とは言えません。

つまり柴犬は「凶暴な犬」ではなく、「人によく懐くオオカミ」なのです。まずは上記の犬種の背景や特徴をしっかり把握しておけば、凶暴になることはそうそうないと思います。


専門家の見解


行動学獣医師の研究によると、柴犬の噛み癖について特徴的な傾向があります。衝動性の制御が他の犬種に比べて難しい場合があり、葛藤に弱い傾向があるため、興奮しやすい脳機能を持つとされています。しかし、適切な治療やトレーニングで改善可能であることも明らかになっています。


出典:柴犬噛み癖研究所

柴犬の効果的なしつけ方法


基本原則

柴犬のしつけには、褒めるしつけ法が効果的と個人的には思っています。柴犬は、とにかく頑固です。気に入らない、気が乗らない命令はテコでも動きませんが、ご褒美がもらえるなら話は別です。良い行動を繰り返すことができるようになります。

柴犬は褒められることに強く反応するため、良い行動をした瞬間に褒めることが重要です。ご褒美としておやつやおもちゃを活用し、一貫性を保つことが大切です。

専門家の推奨によると、1回のトレーニング時間は5分程度、子犬の場合は3分程度が適切とされています。毎日継続することが重要で、しつけの基本は一気に教えるのではなくコツコツと続けることだということも覚えておいてください。

出典:柴犬のしつけのコツ


適切なタイミングと具体的な方法

散歩後のリラックス時や食事前の集中しやすい時間を選び、愛犬の体調や気分に配慮することが大切です。基本指示のトレーニングでは、「お座り」を食事前に必ず実施し、「待て」で衝動的な行動の抑制を図り、「来い」で安全確保を行います。

社会化トレーニングも重要で、子犬期(3-12週齢)の社会化が特に大切です。様々な音、人、環境に慣れさせ、他の犬との適切な接触機会を作ることが推奨されています。

柴犬を飼う際の注意点とポイント


環境整備と健康管理

柴犬を飼う際には、十分な運動スペースの確保が重要です。庭がある環境が理想的ですが、室内でも十分な運動ができる工夫や散歩コースの多様化が必要です。また、静かで落ち着ける場所の確保、規則正しい生活リズム、家族全員での一貫したしつけでストレスを軽減することも大切です。

柴犬は毛が抜けやすく、ブラッシングが必要です。とんでもなく抜けるので、毎日のブラッシングが必要であることは覚悟しておいてください。特に換毛期(春・秋)は注意が必要で、適切なブラッシング用具の使用が推奨されます。

定期的な健康チェックとして、年1-2回の獣医師による健康診断、異常行動の早期発見、適切な予防接種とケアが重要です。

個体差への理解

すべての柴犬が同じ性格ではないことを理解することが大切です。社交的な子も存在しますし、穏やかな性格の子もいます。個体の特徴を理解して対応することが、良好な関係を築くために重要です。

柴犬は元々狩りのために飼われていたため、狩猟本能が強いことがあります。そのため、小動物や「素早く動く何か」に興味を示すことがあることも理解しておく必要があります。

柴犬の運動量と健康管理

年齢別の運動量と精神的刺激

子犬期(3-12ヶ月)は1日20分程度の散歩と室内での遊び時間の確保が適切で、過度な運動は避けるべきです。成犬期(1-7歳)になると1日1時間程度の散歩を30分×2回に分けて実施し、走る、跳ぶなどの活発な運動も取り入れることが推奨されます。シニア期(7歳以上)では個体の体力に応じて調整し、無理のない範囲での運動継続と関節への負担を考慮することが大切です。

物理的な運動だけでなく、精神的な刺激も重要です。パズルフィーダーや隠れているおやつを探すゲーム、新しいコマンドの学習などの知育玩具の活用が効果的です。また、散歩コースの変更や新しい場所への外出、異なる質感の地面での歩行など、環境の変化も良い刺激となります。

まとめ

柴犬の凶暴性について、現役飼い主として2頭の柴犬と生活してきた経験と専門家の見解を踏まえて解説しました。

柴犬は凶暴な犬種ではありませんが、適切な飼育環境としつけが必要です。
遺伝的特徴を理解し、「人によく懐くオオカミ」として接することが重要で、十分な運動と精神的刺激が問題行動の予防に重要な役割を果たします。

褒めるしつけ法と短時間・高頻度のトレーニングが効果的で、個体差があることを理解し、愛犬の特徴に合わせた対応を行うことが大切です。

柴犬を飼うことは、適切な知識と準備があれば素晴らしい経験になりますし、警戒心は強いものの、飼い主への愛情は深く、忠実なパートナーとなってくれます。

もし運動量や刺激を十分に与えても攻撃的な行動が改善されない場合は、専門のドッグトレーナーや行動学獣医師に相談することをお勧めします!

適切な知識と愛情を持って接すれば、きっと素晴らしい家族の一員となってくれるでしょう。

柴犬との生活を通じて、可愛らしい容姿と忠実な性格を存分に楽しんでください!

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